以前も書いたが,僕の好きなたばこの銘柄は“Peace Light”もしくは“Long Peace”である。最近はカートンでまとめ買いをすることが少なく,ゆえに自動販売機でもソフト・パッケージ(僕の嫌いな Box でないもの)が手に入る“Long Peace”のほうを吸っていることが多い。
タール:24mg,ニコチン:2.4mg というこの“Long Peace”だが,これを僕が吸っている様子を見た(酒宴などでの)同席の人はたいてい驚いてこんなふうにいう。
「Peace はキツいでしょう? 吸うと苦しくありませんか?」
「いいえ,別に…」
「だって…肺まで吸い込んだら…」
馬鹿をいっちゃあいけない ――誰が煙なんかを肺まで吸い込むもんか! そんなの健康に悪い。
煙は口の中で転がすのである。たばこの楽しみはその味わいにあるわけだ。だからこそ,ワインなどと同じく,煙は口の中で転がして舌でそれを味わうのだ。肺の中でその味わいがわかるか? そんな格好と見栄で吸うような吸い方を,愛煙家たる者のするはずがなかろう。
さて,そうやって口の中で転がしている煙,これを使っていろいろな芸ができるということは,すでに多くの人の知るところである。
こうした芸のうち,思ったほど知られていないのが“滝のぼり”というワザ。やや受け口にしたところに煙を溜め,それを鼻で吸い上げることによって紫煙を滝の逆流のように見せるというものだ。僕は,これはわりとアッサリできた。やり方を教わったわけでもないのだが,見よう見まねでやってみたら難なくできてしまったのである。
もうひとつ,こちらはたばこの煙による芸では最もポピュラーと思われる,“輪(リング)”である。これも僕は見よう見まねでできた。大小どちらでも輪をつくることができるが,さらに僕のオリジナル技として,“同時にふたつの輪をつくる”というのもできる ――“連続して”というのではなく,あくまで“同時に”というのがミソ――。実際に見てもらうとわかると思うのだが,やり方は…まぁ秘密ということにしておこう(笑)。
思うに,たばこはあくまで嗜(たしな)むもの。身も心も余裕(ゆとり)がなくてはね…。だからこそマナーが大切でもあるわけだ。