関堂幸輔が担当する大学・学部の講義科目について
講義の位置づけ
大学・学部における講義科目は,多くの場合大勢の受講者に対してなされるもので,勢いどうしても座って話を聴くだけの座学にならざるを得ません。受講生一人ひとりの理解・習熟に目を配り,各自をフォローできることが理想ではありますが,どだい無理な話です。
また,私が担当する各科目のような社会科学にあっては,半年または一年という限られた期間において,かつ授業の際にだけ勉強をすればよいというものではなく,常に身の回りの社会の動き等に照らして各人が考察をなすべきものであります。したがって,一定の時間だけの聴講とそれを受けての試験の結果のみをもって評価することは,それ自体がナンセンスなことでもあります。すなわち私の講義は,受講生各人が興味・関心を持ってそれぞれの問題意識を覚醒させその後それに取り組んで考えていただくための “きっかけ” でしかありません。
こうした点に鑑み,私関堂が担当する講義科目では,基本的に以下の方針に則って成績評価を行うこととします。
なお,それぞれの大学・学部の講義の進め方等の詳細については,各シラバス(履修要項)および初回授業時における詳細な説明をご参照下さい。また,シラバスにおいては下記と異なる内容の部分もありますが,授業時にも口頭で伝えるように,下記に従って実施し,それに基づいて成績評価を行います。
成績評価
成績評価の方法
端的に言えば,「定期試験 100%」です。出席その他平常点は,原則として評価しません。
試験は100点満点で採点し,それを基本的にそのまま各大学・学部の定める基準に照らして成績評価とします。試験の得点のみでは及第点に達しない場合のみ,関堂の裁量をもって平常点を加算する場合があります。しかし平常点をもってしても斟酌すべき事情がない場合はやはり落第となります。
定期試験は,原則としてそれぞれの講義科目の最終開講日に行います。詳細は授業にて指示します。また,試験の方法については次項を参照して下さい。
試験
試験時間は90分。用紙配布・回収の時間も含みますので,正味80分程度になるかと思います。なお遅刻・途中退出は「いつでも可」です。試験終了5分前に来て受けても構いません(できるかどうかは別ですが)し,試験開始後5分で諦めて退出するのも妨げません。
また試験の形式は短答式で,通常は二者択一,要するに○×です。
試験に持ち込んで参照してよいものは,法令集(六法),自筆ノート,その他なんでも構いません。借りてきた書籍でも,ノートのコピーでも,電子辞書でも,パソコンでも,さらには携帯電話など通信機器でも結構です。なおかつ試験においては座席自由で,他者との連携(持込物の受渡し等)も可とします。
要するに「何でもあり」の試験ということになりますが,以下のようにただ二つだけ制限事項があります。
- 試験中は立ち歩いたり席を移動してはいけない。
- 私語その他必要以上の雑音を発してはいけない。
「他者との連携可」と言っても,無秩序にする訳にもいきませんので上記の制限事項を設けました。席の移動は認めません。その代わり座席自由なのですから。着席する際に誰かと隣同士で座るか等は各自の責任で決めて下さい。また,私語や必要以上の雑音は他者の受験の妨げになりますから,これを禁止します。筆記の音,紙をめくる等の音,機器操作に伴う音,くしゃみなどある程度必然性のあるものは仕方ありませんが,電話の呼出音等は事前に設定するなどして止めておくように。どうしても周囲の者とコミュニケーションしたい場合は,筆談,手話,テレパシー等の雑音が出ない手段でして下さい。
オンラインでの試験の実施について(2023年追記)
2020年度以降,大勢を同一の空間に集めて行う対面での試験の実施は困難となり,それに代わってオンライン・ツールを用いての試験を実施しています。2023年度から授業自体は対面で行われる見込みですが,上記の成績評価に係る学期末の試験は引き続きオンラインで行います。それに伴って,以下の事項に注意してください。
- 試験を受ける時間と場所について
試験は,原則として各授業の最終回に当該授業の時間内で実施します。もっともオンライン試験では解答用紙の配布・回収等は不要ではあるものの,他方インターネット接続やサービスへのログオン等に受講生が手間取ることも想定されるため,解答可能時間は120分程度に設定します。なお試験を受ける場所については自由です。オンラインで試験を受ける環境(次項参照)さえあれば大学の教室以外の場所で受けても構いません。
- 試験を受ける環境について
試験はオンライン・ツールを利用して行います。現時点では過去3年と同様 Google Forms を用いる予定です。したがって同サービスが利用できる環境であれば,PC であるかスマートフォンであるかを問わず試験を受けることができます。
よくある質問に対する回答
- 本当に「何でも持込可」なんですか。
☞ 本当です。過去の関堂担当科目の試験では デスクトップ・パソコンを4人がかりで持ち込んだ例 もあります(笑)。それでもなお「これを持ち込んでもいいんだろうか」と疑問に思うものがあるのでしたら,関堂に直接問い合わせてみるといいでしょう。
- 「他者との連携可」とか「ノートのコピーも持込可」で出席点を取らないのでは,努力した者が報われないことになりかねず理不尽ではありませんか。
☞ そもそも世の中は理不尽なものです。また冒頭に書いたように,半年・一年限りの勉強のみをもって評価をすることさえナンセンスなのです(制度上致し方なく評価せざるを得ませんが)。自分の勉強に得心がいけば,成績評価など毫も気にする必要はないでしょう。ただどうしても自分の努力を自分だけの成果にしたければ,誰にも協力しなければいい。あるいは他人にウソの情報を与えればいいのではないでしょうか。それによって友達をなくすこともその者の選択なのです。
- 試験の際に周囲にいた友人と同じ答案にしたはずなのに評価が違うのは納得いきません。
☞ 試験の際にも指示しているとおり,試験の答案においては,訂正跡も含めて複数の記号を記入していたり記号が不明瞭だったりするものはすべて不正解として採点します。したがって,他人と同一の答案のつもりでも正答数が異なる場合がありえます。また,誤記・不明瞭の問題が起きないはずのオンライン試験においても同様の声が時折聞かれるのですが,そのほとんどが「同じ答えにしたはずだ」が間違えているという当人の錯誤によるものです。
- 試験の日程にどうしても出席できない事情がありますがどうしたらいいでしょうか。
☞ 正当事由があれば個別に救済します。そのような事情が判明した段階で可及的速やかに関堂に報告し,指示を仰いで下さい。なお,試験終了後に「就職活動で受けられなかった」等は認めません。事前にわかるものは必ず事前に申し出て下さい。なお,オンラインで実施する試験については次項もご参照ください。
- 試験の答え合わせをしてもらえませんか。
☞ ここで「答え合わせ」というのは,「正解ないし適切な答えを知りたい」あるいは「各設問で問われた内容を正しく理解したい」という意味なのでしょうか。それとも,単に「自分の正答数や単位認定の合否を知りたい」という意味なのでしょうか。前者であれば自分で改めて各設問について勉強すればよろしいでしょう。問題点について真に理解を深めたいのであれば,本来そうすべきものです。何番の設問の正解が○だの×だのというのを聞いて一喜一憂したいだけで設問内容の理解に興味がないのであれば,そのために関堂が正否を述べたり解説をしたりするのは無駄というほかありません。合否だけを気にする受講生については,個別に問い合わせてくれれば得点の合計点のみお教えすることは吝かではありません。
2020年度以降の新型コロナ・ウイルス感染拡大に伴うオンライン授業に関する質問等
- 講義を各大学指定の方法による配信ではなく,YouTube で公開するのはなぜですか?
☞ 今般の事態を受けて各大学がオンライン授業を実施していることは周知ですが,それぞれ利用するシステムやサービスがばらばらで,実際私も本務校である大阪工大を含めて三つの大学で授業を担当しているのですが,見事にすべて異なります(一つは本務校の姉妹校であるにもかかわらず)。大半の大学は,非常勤講師(兼任講師)については「指定の方法によらずともよい」としてくれているのですが,そこで今度は教員によって授業で用いるサービスが異なると受講する学生諸君に大きな負担となってしまいます。
そうした事情から,私は,学生にも親和性の高いウェブ上のサービスである YouTube を利用しようと思い立ちました。以下の一問一答にもあるようにさまざまな不安要因がないわけではないのですが,まずはやってみようと着手した次第です。
- YouTube に掲載されている講義は,誰でも視聴することができるのですか?
☞ はい。受講生でなくても誰でも視聴することができます。URL での制限もしていません。検索サービスで探し出すことも可能でしょう。ただし,ウェブサイトへの動画の埋め込みは制限しています。
- YouTube で講義等を広く公開することは,授業料を払って大学で講義を受ける者の権利利益を侵害することになりませんか?
☞ まず,大学における教育が対価を支払って享受するサービスの一つであるという誤った考え方を捨てるべきだと思います。確かに,学生諸君やその親御さんが決して安くはない学費を負担しているという事情はよくわかっています。しかし教育は,「金を払ったからサービスを受けられる=金を払っていないのにサービスされるべきではない」という単純なものではありません。そもそも勉強をして教育の効果を活かせるかどうかは,むしろ学生諸君にかかっています。私たちはその手助けをするための努力を払うことで,社会全体に貢献しようとしています。したがって,講義等の教育リソースを広く公開することが必ずしも不当だとは思いません。
もっとも,公開された講義等に関して受講生から質問・意見等があった場合は,オフライン(リアル)のそれにおけるのと同様,真摯に対応します(次項も参照)。
- 講義の受講生ではないのですが YouTube で講義等を見て,質問したいことがあります。受講生以外の質問等には回答してくれませんか?
☞ YouTube の各動画にはコメントを寄せることができますし,その他のソーシャルネット等を利用して関堂に連絡を取ることは可能です。もし何かありましたらこれらを是非お寄せください。もっとも,本来の受講生からの質問とは異なり,必ず速やかに回答しなければならないほどの義務までは負うものでないと認識していますので,任意で回答をいたします。
なお,受講生が YouTube の各動画に対するコメントにおいて質問等をすることも妨げませんが,受講生であることの担保がないことになりますので,上記のような一般のコメントと同様に扱います。
- YouTube に掲載されている講義は,本来の授業がある時間帯に見なければいけませんか?
☞ 構いません。各動画が公開されている限り,いつでもお好きな時間に視聴してください。また,YouTube は視聴者において動画の再生速度の設定ができますので,速く再生すればそれだけ時短にもなりますし,ゆっくり再生して聞き取りやすくすることも可能です(この点は実は受講生から指摘されて初めて知りました)。もっとも,本来講義がなされる日時に合わせて簡単な課題(コメントの求め)をする場合があり,これについては基本的に当日締切になりますので,受講生にあってはポータル等各大学指定の連絡・告知に注意してください。
- 本来の講義の時間は90分または100分であるのに対し,YouTube の動画はいずれも約45分です。もっと長くできませんか?
☞ 講義そのものの情報量は,実は異ならないのです。オフラインの実際の講義では,板書とその書取りがあったり,雑談があったりで,それだけ余分に時間はかかります(それらが講義のライヴ感を生み出す大事な要因でもあるのですけど)。そうであれば時間をフルに使ってもっと情報量を増やしてほしいと思われるかもしれませんが,それはそれで一度に学ぶべきことが増大してしまってかえって弊害があるように思われます。したがって,一回の講義で約45分の動画というのは至極適切だと考えます。もし実際の講義の時間に合わせたいとおっしゃるのであれば,動画を視聴する途中で適宜休憩を入れてください。
- YouTube に掲載されている講義の動画の画質・音質が悪くて視聴しづらいと感じます。どうにかなりませんか?
☞ これらはどうしても自宅のコンピューターと周辺機器およびインターネットの環境に依存せざるを得ません。ある程度はご了承ください。具体的にどうしても聞き取れない箇所があった等がありましたら,ご面倒ですが関堂までお知らせください。
- YouTube に掲載されている講義の動画を最新のものに更新してくれませんか?
☞ 2023年4月からは関堂が担当するすべての講義が対面授業となる見込みですので,それ以降は原則として法改正等に伴う動画の更新はいたしません。ご了承ください。
- インターネットへの接続や無線 LAN(Wi-Fi)の不調により所定の日時に試験が受けられなかった場合,救済してくれませんか?
☞ インターネットへの接続のトラブルについては,接続業者(ISP)において公式に発表された障害が試験の日時に合致する場合のみ救済します。試験で用いるシステム(大学のポータル,Google Classroom 等)に障害があった場合も同様です。個人または家庭における機器等の不調については救済しませんのでご了承ください。もっとも,オンライン試験に用いるシステムはほとんどの場合携帯端末(スマートフォン)でも利用できますので,それらを駆使することで大半のトラブルは避けることができるはずです。そのことを知らなかったというのであれば,それは知らないことにつき過失があるものと判断されるでしょう。
- 講義の動画やノート(レジメ)をインターネット上で公開してしまって,パクられたら(盗用されたら)どうするのですか?
☞ 私ごときの講義のネタ(ノートや動画)をパクる者がいたとしたら,むしろその者が恥をかくことになると思います。また,曲がりなりにも知的財産を専門としている私の,その著作権等を侵害しようという者がいるのであれば,いい度胸をしているなとは思います。